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asagitti's blog

うつを,くらしを,音楽を,ファッションを,ゆるり,ゆるりと。あと猫。

中村一義という人。

「まちなかオンリー!2014」のチケットがとれました。

中村一義とギタリスト町田昌弘さん(100s)の弾き語り形式のトークライブ。

3/27(木)仙台 darwin 行きますよー!

 

昨年の「まちなかオンリー!」で,中村さんが「来年もやりたいねー!」と言った時に,町田さんが「中村一義が毎年ライブやるなんて信じられるか―(笑)」と突っ込み,観客も無言の納得・・・。という一幕があったので,まさかほんとに今年も,しかも一年を置かずにやるとは!とどびっくり。

 

あのね,中村一義が目の前で歌うってね,何年経っても特別なんです。

 

「金字塔」の時代。

私の底のない暗黒の時代。

純度100%の憎しみの感情は,まわり回って自分をも殺すことを初めて知った時代。その感情の矛先が肉親ならば無条件に。

悲しいという感情は枯渇し,小さな作り笑顔もできなくなった時代。(これは日常生活上困った)

そんな渦中に,私は中村一義と出合いました。

 

複雑な家庭環境に育ち,高校を卒業後日本語詩での楽曲制作を開始,「状況が裂いた部屋」と名付けた自室に籠って作詞作曲,ほぼ全ての楽器を一人で演奏してセルフプロデュースで宅録し,バンドを組むこともライブをすることもなくデビューしたミュージシャン。若干22歳。

それだけでも大変なインパクトですけど,

その楽曲がもうね。

 

私にとっては,ちょうどぽっかり空いた穴に

空いたのに自分で見て見ぬふりをしていた穴に

直球で突き刺さるような衝撃でした。音も言葉も。

音楽で号泣したのはあれがはじめての経験だった。

1stアルバム「金字塔」。

 

タバコの吸い殻が積み上げてある「金字塔」がカバーを飾るアルバム。

彼がこれまでの人生をぜーーんぶ出し切った,と語っている。

「ある意味いっちゃってるアルバム」とも語っている。

わたしも,他人にはこのアルバムはお勧めしないと思う(笑)

でも,当時の私の抱えていた痛みと,周波数が,合った。

これはわたしの人生でとっても大きな出来事だった。

のちに,精神科医に,当時のことを振り返って「そのとき一体何が支えだったの」と尋ねられて「音楽です」と言ったけど,(我ながらアホ)それがコレ。

 

このタバコの金字塔の写真を眺めながら,泣きながらハナミズたらしながら,CDウオークマンで何度繰り返し聴いただろう。

 

「永遠なるもの」という曲。

イントロで,何やら「フンッ!フンッ!」とプロレス技をかけているような声と,

「痛い痛い,痛い痛い,痛い痛い,ああもういい もういい」という声が入ってるんだけど,

本当に痛い時って,なんの防衛機制か,痛いとも思えない時がある。

わたしは当時,これを聴いて,「ああ,痛いなあ」と,やっと泣けたんです。

 

あぁ、部屋のドアに続く、長く果てない道…。
平行線の二本だが、手を振るくらいは…。

あぁ、全てが人並みに、うまく行きますように。
暗いだなんて言うなって。全てよ、運命の想うままに。

急にね、あなたは言う…。「やっと笑えそうだっていう時に、
判んなくなって、泣けない、笑えない…」。

愛が、全ての人達に、分けられてますように。
一回も考えなかった。「語ってるよ」とか言って茶化して。
全ては良い笑顔のために。
永遠なるもの/中村一義

 

彼が「過去との決別」のために,そして「過去の肯定」のために絞りだした楽曲の数々。わたしは,中村一義というアーティストがいなかったら,多分今存在していなかった。あの時代に,あの気持ちで,あのタイミングで,出合えたから今がある。

音楽ってすごいですねえ。

 

個人的には,「金字塔」というアルバムは,一曲目の「始まりとは」「犬と猫」から「永遠なるもの」「犬と猫再び」(これらの曲はふたつでひとつだと思います)そーしてボーナストラックまで,ノイズも含めて,聴き通してほしい作品です。

「永遠なるもの」も,単純に博愛を謳う曲ではないことがわかるっす。

 

そして中村一義がすごいところは,ここに留まらないアーティストだということ。

本人は「金字塔」でやめようかなとも思ってた,とも言っていた通り,あの一枚で終わっても,「天才」として名を馳せたことでしょう。

 

でも,彼は同じところにはいない。100sというバンドを組み,バンドサウンドを鳴らし,(そのあとはだいぶ沈黙してたけどw)大きなハコでのライブもはさんで今度は地方の各都市のちっさいライブハウスに「やあ!」とやってくる。

 

あの時泣きながら聴いた中村一義に,

今度はまた笑顔で出会う。

 

金字塔

金字塔